つ まり、コップというものは皆さんのお宅にあるコップでもいいし、それからどっかのデパートで売っているコップでもいい。なんでもいいわけです。要するにコップということばは、個体に対して非常に抽象的なものです。社会的なものです。つまり、どのコップでもいいわけで、このコップでなきゃ私は水が飲めないということじゃない。どのコップでも持ってきてくれればいいわけですから、それでコップというと、持ってきてくれるほうでも、なにもこれでなくてもいいんだというので、どっかにあり合わせのコップを持ってきてくれるというような形になる。