文章1 ついこの前、近くのお店に買い物に行った時のこと。 私がお店を出ようとすると、前に電動三輪車に乗ったおじいさんがいた。私は急いでいたので、そのおじいさんを追い越して、先に自動ドアの前に立った。ドアが開くと、1「ありがとう」という声が聞こえた。驚いて振り返ると、うれしそうに笑顔でお礼を言うおじいさんがいた。あっと思った私は、おじいさんが通り過ぎるのを待った。 私は2おじいさんに、とても申し訳ない気がした。お礼を言われるまで、おじいさんにとって自動ドアを通ることが大変だなんて、少しも気付かなかった。結果として親切な行動となったが、それは偶然のことで、親切な気持ちではなかったのだから。 私には何ともないことでも、苦労する人がいるのだと、実感した出来事だった。 その人の立場にならなければ、なかなか分からないことだけれど、今度こんな状況に出合ったら、すぐに気が付くようにしたい。そして、今度はお礼を言われても、それにこたえられるような、気持ちからの行動にしたい。 問 1 おじいさんはなぜ1「ありがとね」と言ったのか。