日本人の生活習慣も、時代とともに変わっていく。ほんの少し前までは、春や秋になると、畳を乾燥させるために、家の中から畳を外に出す光景があちこちで見られたものである。どんなに忙しい生活をしている人でも、1 これ だけは続けてきた。畳は暮らしの中に季節感を作り出していたのである。 最近では、2 畳がだんだん見られなくなってきている 。畳の上に座る、畳の上で家族みんなで食卓を囲む、畳の上に布団を敷いて眠る。客が来れば、その畳の上に手を付いてあいさつする。それが当たり前だった生活は、つい昨日のことである。畳は日常の生活とともにあったのである。 畳という言葉は、古い時代の文学や記録にも出ている。3 昔から日本人の生活の中にあった ものと考えてよいのであろうが、その頃は、床に敷く布や毛布のようなものを畳と呼んでいたらしい。そして、使われない時は畳んでしまっていた。つまり「たたむ」物だからタタミということばが生まれたのだろうと思われる。 85.3昔から日本人の生活の中にあったとあるが、昔の畳はどのようなものだったのか。