(上略) しかし、驚さなのは「恋人」を「自分で選ぶ」若者が、わずか 29パーセントであること。「なるようになる」が4割で一番多い。おそらく合コン 1 か何かでたまたま隣にいた人と、何となくつきあい始めるケース 2 が多いのだろう。 「今つきあっている恋人と結婚するかどうか」を「自分で決める」若者はさらに少ない (22パーセント)。約2割が母の意見、约2割が友だちの意見で決めると答えている。 これでは、悩みが生じないのも当然である。就職と結婚は、人生の二大イヴェント 3 。よい配偶者 4 に恵まれて、自分を生かせる 5 仕事に就く。これが今も昔も、幸福の二大条件である。この二つを自分で選ばないのなら、たしかに大した悩みも葛藤 6 も生まれてこないだろう。しかしそれで果たして、自分の人生を生きていると言えるだろうか。けれど、 それ が今の若者の「当たり前」なのである。 注 1合コン:独身の男女が出会いの場として開く集まり 2ケース:場合 3イヴェント:行事 4配偶者:夫、または妻 5生かす:よさ、能力を十分に引き出して使う 6葛藤:反対の二つの気持ちの間でどうしようかと悩むこと