フリーターが増えている。200万人にちかい、とも言われる。それでも1たいした社会問題にならないのは、フリーターという呼び名だからである。けっして失業者と呼ばれない。1999年現在、15歳から24歳までの男性の失業者は、10.3パーセントにも達している。 労働省の定義によれば、「フリーター」とは、15歳から3D歳までのパートやアルバイトをしている男女、ということになる。つまり、3D歳をすぎると、もうフリーターとは呼ばれない。ただのパートかアルバイトである。女性の場合、フリーターと言われるのは、独身者のことで、主婦になると、パートのおばさんである。 フリーターは、自分で就職せずに、気ままに(注1)働いて、自由を楽しんでいるように見えるが、実際のところは、うまく就職できないための、浪人暮らし(注2)が少なくない。それは失業率が高くなると、 フリーターが多くなることによっても、よく理解できる。正社員に登用される(注3)かもしれない、と思って、一生懸命働いたが、採用されなかった、というフリーターも多い。 2これなどは、間違いなく失業者の部類に入る人である。 (鎌『現代社会100面相』による) (注1)気ままに:自分の思い通りに (注2)浪人暮らし:ここでは、失業中の状態 (注3)正社員に登用する:正式な社員の地位に引き上げる 1.パートやアルバイトをしている人で「フリーター」と呼ばれるのは、次のうち、どの人か。( )