生命とは動的平衡にある流れである。生命を構成するタンパク質は作られる際から壊される。それは生命がその秩序を維持するための唯一の方法であった。しかし、なぜ生命は絶え間なく壊され続けながらも、もとの平衡を維持することができるのだろうか。その答えはタンパク質のかたちが体現している相補性にある。生命は、その内部に張り巡らされたかたちの相補性によって支えられており、その相補性によって、絶え間のない流れの中で1動的な平衡状態を保ちえているのである。 2ジグソーパズルのピーチは次々と捨てられる。それはパズルのあらゆる場所で起こるけれど、それはパズル全体から見ればごく微細な一部に過ぎない。だから全体の絵柄が大きく変化することはない。 そして、新しいピースもまた次々と作り出される。重要なことは、新しく作られたピースは自らのかたちが規定する相補性によって、自分の納まるべき位置をあらかじめ決定されているという事実である。ピースはランダムな熱運動を繰り返し、欠落したピースの穴と自らの相性を試しているうちに、納まるべき場所に納まる。こうして不断の分解と合成に晒されながらも、パズルは全体として平衡を保つことが可能となる。 2.筆者は、2ジグソーパズルのピーチを何の例えとして使っているか。( )