ピロリロり! 携帯電話にメールが来た。「元気?しばらく離れてみていろいろ考えたの。ずっと、ゴバちゃんに会いたかった。今まで返事しなくて、ゴバちゃんに会いたい」からだ。彼女に何回もメールを送って無視され続けたときは、もうだめか、忘れられてしまったかと思っていたけど⋯。胸の奥がくすぐったくなった。嬉しい。と知り合ったのは、入社してから数カ月経ったときのことだ。就活に力を入れて、一番入りたかった会社に入ることができた。だけど、仕事が思ったよりうまくいかなかった。小学校から大学までいつも成績がトップだった僕は、初めての仕事とともに初めて味わった挫折感でストレスが溜まっていた。頭の中をぐるぐる回る考え事を追い出そうと、よく近所の公園を散歩した。「ねえ、1人で何してんの?」ベンチに座って夕日を眺めていると、声をかけられた。初めて見る顔の女性だった。背が高く、スーツを着ている。仕事帰りなのか。僕より2つか3つ年上かな。「1人でいちゃだめですか?」「だめじゃないけど、なんか、寂しそう。隣座っていい?」「あっ、どうぞ」「ここよく来るの?あ、私はっていうの。おなたは?」「智彦です。五林智彦です」「ゴバヤシ?珍しい名前ね。じゃ、ゴバちゃん」そうやって僕はゴバちやんになった。そのは何を話したのか、よく覚えていない。大した話はしていないことだけは確実だ。その日はなんの約束もせずに別れたけど、次の日はまた同じ場所で彼女に会った。そしてまたベンチに座って、日が暮れるまで話をした。問.「日が暮れるまで話をした」の動作主は誰ですか。